CAMWACCAで様々なプログラムを行って頂いている松木正さん。今回はその中の「エルダーシップ プログラム“So, be it”」に、普段は運営スタッフ側にまわっているカムワッカメンバーが参加者として体験してきたので、そのレポートをお届けします。

●美しく、心落ち着く清里の森で感じるエルダーの在り方

今回で3期目となるエルダーシッププログラム。プログラムの中では今後オープンカウンセリグやトーキングサークルもありますが、まずは最初は合宿的に行うスウェットロッジセレモニー・リトリートとして、清里(山梨県)にある公益社団法人キープ協会の広大な敷地の中で、気持ちのよい天気の中2024年5月17日(金)〜19日(日)に行われました。

1938年に米国人のポール・ラッシュ博士がつくったこの協会は、日本の環境教育の発祥の地でもあり、自然と共生する暮らしの様々な取り組みが始められた場所で、歴史があり、美しく、とても心が落ち着く場です。

そんな場所で、松木正さんのリードで「エルダーとは?」「人々の成長を支援する在り方とは?」を、学びだけでなく、体験として身体で感じていくプログラムです。

そもそもエルダーとは、どういった存在なのでしょうか?

人が生きていく中では「安心できるコミュティ」が必要です。そして本当に安心する場には「エルダー(長老)」のような存在の人がいて、場をホールドしています。しかし、仕事や学校、日常生活に追われる現代人にとって、なかなかそういった場や人に出会うことはありません。

松木さん自身は、ネイティブインディアン ラコタ族のアンクル・ロイ氏や、トム・ブラウン・ジュニア氏など、彼にとってのエルダー達から様々なことを伝えてもらったとのこと。その伝えてもらったことに松木さん自身のストーリーを合わせながら、参加者にエルダーという存在の在り方を示してくれます。

それは、単なる言葉ではなく「在り方」そのものであり、雰囲気をともなった安心感とともに伝わってきます。

●無意識の水準にある並行世界を感じる様々なワーク

今回の3日間のプログラムの中の体験では、日常生活の中の身体や頭とは違った、無意識の水準にある並行世界を感じることがキーになります。そのために、普段とは違う五感で感じるワークが沢山用意されていました。

静かな森の中に入り、いつもとは違う動きやスピード、視覚を閉じての活動など、感覚を開き自然のベースラインに身体を融け込ませていくワーク

身体自体が感覚的になっていくにつれ、日常生活では忘れがちな「なにか」を感じてきます。こう書くと宗教的だったりスピリチュアルのように感じるかもしれませんが、東洋思想の「」という感覚にも近いかもしれません。頭だけでなく、なにか大きなものと繋がりながら存在すると、大きな安心感とともにいれるような気がします。(もちろん、私はまだ「そんな気がする」っという程度ですが・・・)

そういったいくつものワークを重ねていき、感覚が普段よりも開いた状態で2日目の夜にはスウェットロッジ・セレモニーを体験します。スウェットロッジ・セレモニーはネイティブ・アメリカン(ラコタ族)に伝わる7つの儀式のうち、最も古い儀式と伝えられ、「生まれ直し【子宮回帰】の儀式」と呼ばれています。ドームの真っ暗な空間の中心に、真っ赤に焼かれた溶岩石が運び込まれ、そこに水が掛けられると、蒸気がドーム内に広がります。その中で大いなる存在に祈りを届ける儀式です。

この体験が強烈です。自分自身の何かが壊れ、生まれ変わっていく何かが起こります。人によって起こることは様々ですが、何か強烈なものを残していきます。私自身も新しいものを受け取ったし、時間感覚もくるっていたのか、体感的には1時間程でしたが、実際には3時間もスウェットロッジ中にいることになりました。

●一緒に変化する仲間

この3日間は、ちょっと不思議な体験を沢山します。今まで気が付かなかったことも沢山経験し、自分自身が変化していくことを体感します。ただ、そのような変化には、少し不安もつきまといます

そんなとき、松木さんだけでなく、一緒にこの変化を共にする仲間がいることは、とても心強いものでした。各ワークもそうですし、スウェットロッジ・セレモニーのような強烈な体験を一緒に通過した仲間は、家族(拡大家族)のように信頼できる繋がりになります。

この3日間のプログラムのあとにも、オープンカウンセリグやトーキングサークルもありますが、今後それを一緒に体験し、励まし合いながら各々が変化していくことがとても楽しみです。

●家に戻ってからも、スクール動画で感覚を身体に染み込ませる

リトリートが終わり家に帰ってくると、しばらくは清里での体験が感覚的に残っています。ただ日々、仕事をしたり日常生活をしていると・・・だんだんとその感覚が薄れていきます。そんな時に視聴できるのが「"So, be it" "わたし"という「生命の木」になっていく 自己生成リトリート習慣プログラム」の動画。リトリートの中で行ったワークのいくつかをここで追体験できます。朝ちょっと早く起きて「自覚のストレッチ」をしてみたり、森で寝転んで松木さんの声を聴きながら「セイクレットサイレンス」を実践したり・・・リトリートの中で体験したことを、地元に帰ってからも何度も繰り返すことは、水が土に染み込むように、あの時の感覚が徐々に身体に染み込んでいきます
(※申込コースによって、スクール動画を視聴できない場合がございます)

●エルダーシップ・プログラムに興味がある方へ

(1)秋のエルダーシッププログラム
2024年 秋 (10/29-31)にも、エルダーシップ・プログラムをスタート予定です。ご興味ある方は第4期のページをご参照下さい。(内容は変更する場合がございます)

松木さんによる「エルダーとは」

(2)他の松木正プログラム
CAMWACCAではエルダーシッププログラム以外にも、オンラインで受講できる松木さんの講座や、子どもと一緒に参加できるキャンプなど、様々なプログラムを用意しています。
ぜひこちらのページで、チェックしてみてください。
BE WIHT カウンセリングファシリテーション講座などから始めてみるのもおすすめです。

(3)松木正さんの著書
また、松木さんの著作から入ってみるのも良いかもしれません。今回のエルダーシップ参加者には、本を読んで、直接参加した方もいらっしゃいました。

松木さんの著作はこちら

ご興味ありましたら、ぜひチェックしてみて下さいね。

松木正さんプロフィール
先住民の知恵と生き方から学ぶ環境教育、自分と自分をとりまく様々な生命との関係教育を軸に「マザーアース・エデュケーション」を主宰。

京都府伏見生まれ。 大学在学中、自身がうつ病を克服していく過程でカウンセラーと出会い、教育の現場にカウンセリングの手法を用いることの可能性を探り始める。

YMCA職員などを経て環境教育を学ぶために渡米。全米各地で環境教育のインストラクターをする中でアメリカ先住民の自然観・宇宙観・生き方、またそれらをささえる儀式や神話に強く引かれ、サウスダコタ州シャイアン居留区に移り住みスー・インディアン(ラコタ族)の子どもたちの教育とコミュニティ活動をしながら伝統を学ぶ。

現在、神戸を拠点に全国各地にて、キャンプの企画や指導、企業研修、学校での人間関係トレーニング、また保護者に向けてのワークショップ、子育て講座、アメリカ先住民の知恵を前面に打ち出したキャンプの企画と指導、神話の語り、教育的意図をもった企画講座、個人カウンセリングなど、幅広く活動している。※松木正さんの個人カウンセリングセッションは、「こちらからお問い合わせください。



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