間伐・炭焼き体験で感じたこと

子どもたちの通う学校で、保護者向けに、
間伐と炭焼きの体験講座があり夫婦で参加してきました。

西川材と呼ばれる材木の産地にあるこの学校では、
中学の授業や高校の選択講座で間伐や炭焼きなどの実習があり、
林業について学ぶ機会があります。

子どもたちの実習の様子を見聞きした保護者から、
ぜひ親も体験してみたいという声が上がり、
理事長先生の協力を得て開催されるようになったこの講座も、
今年で15回目とのこと。

コロナで一時期中止になっていたものの、
会として復活して2年目。
参加してみたいと思っていた思いが今年は叶いました。


学校近隣の山々は日本で材木の需要が高まり、
木が伐採されたのちに植林された人口の森。

一時期は高級材として栄えたものの林業が下火になり、
学校に隣接した森も売却されゴルフ場になりました。

その時学校側は猛反対。
その反対運動をきっかけに関係は悪化したものの、
卒業生の貢献もあり再び関係が改善し、
林業の授業で使わせてもらうようになったのだとか。

その当時社会科を担当していた現在の理事長先生。
それまでは教室内での授業を中心としていたものの、
「批判するは容易いけれど山を売るに至った、
社会構造にこそ目を向けたい」と森に行って間伐を行ったり、
炭焼きなどの実習を含む林業講座を始めたそうです。



今回保護者向けの間伐もいつも学生たちが実習を行っている、


隣接した森の山肌。

車を停めたところから、歩いて10分程度でしたが、
途中からは手をついて四つん這いになって登るほどの急斜面。

とにかくやっとの思いで登って、足を踏ん張っての間伐。
しっかりと立っていないと、ノコギリやナタで切り込みを入れていく間に、
ずるずると滑り落ちてしまうことも。


日本で植林をしている山の多くがこうした急斜面なのだそうです。
(他の諸国ではもっと緩やかとのこと)
こんな急斜面で、たくさん植えた木を間伐して健康な山を維持する。
そのことがどれほど大変なことだったのか、、

産業の発展でどんどん植えられた山が、
廃退と共に放置され山肌に光が届かなくなり、
シダ植物以外の植物が地に生えなくなって、
簡単に土砂崩れしているのが現状。

私たちの暮らしの中でもたくさん使われ、
生命の循環にも欠かせない木々や植物。

竹も然り暮らしの中で活用できる知恵を、
私たち市民がもっと自分ごととして知り、
自分たちの暮らしの中に活かしていくことで、
防災にもなり資源の循環にもなる。

短期目線ではなく数世代先まで、巡りを考えて生きること。

子どもにもおとなである私たちも、誰かにお任せではなく、
自分ごととして考え行動したり協力し合える、
そんな学びこそ大切なのではと思いました。

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