HOME > 大滝正明連載コラム「Art and Design のある暮らし」 > 第5回 「リズム&シンプル」 |
「生活は リズムと共に シンプルに わが人生の エネルギーかも」 天性の耳の特性のゆえに、目に見えない障害は苦労がつきまといます。だからこそ生活に潤いを追求してきたのでしょう。 加えて弱い心身の体質は、よりリズミカルでシンプルな行動を選択する傾向があるようです。 私の育った環境は慎ましくも、生活はとても豊かでした。アートとデザインも身近にありました。 幼い頃から日々の暮らしを集団でも個人でも充分に楽しむ習慣があったようです。 しかしアートとデザインに固執するタイプでありません。自然の成りゆきでアートとデザインのある生活を楽しみます。 逆に日常の生活からアートとデザインが生まれると、若い頃から感じとっています。今では私の信念ですね。 折しもNHKの朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」が好評中です。主人公のモデルは雑誌「暮らしの手帖」の創業者と言われています。 戦後、より豊かな暮らしの提案として生まれた雑誌ですが、「真の生活とはなにか?」カムワッカを通じて考察してみたいと望んでいます。 一緒に考えてみませんか・・・。 大滝正明記 |
【カムワッカ より】 庭で積んできたミントを、熱湯で溶かしたてん菜糖に数分浸して創るシロップ。 土鍋でコトコト炊いた炊きたてのご飯。 どれもとっても、最低限の材料でごくごくシンプルに創るものなのに、私の中ではなによりの贅沢で、口にすると自然ににんまり笑顔が湧いて、だれにいうともなく「おいしいねえ」とつぶやいてしまう。 たまにはちょっと味のこんだものを食べたくなるも、やっぱり次の瞬間にはここに戻ってくるところ。 大滝さんのコラムの中で、リズム・シンプルは大滝さんの暮らしに欠かせないものと書かれていたけれど、本当にその通りだとなるほど納得。 またリズム・シンプルとともに幼い頃から日々の暮らしを集団でも個人でも楽しむ環境で育ち、ご自身も今暮らしを楽しみ、日々に潤いをもたらしているという大滝さん。 コラムを読みながら、ふと「意識することなのかもしれない」と思う。すでにある、そのことに気付いていくこと。ともすると日常のいろいろなことに追われて流れて行ってしまう日々の中、丁寧に暮らすことの中で見つかるたくさんのこと。たくさんの歓びや楽しみ。 生きている中で感じ、味わい、楽しみ、考え、表現していくこと。生き方に正解はない。でも自分にとって何が大切なのか、歓びなのか、それはとても大切だと思う。自分を歓ばせることから歓びの輪が始まる気がするから。 大滝さんから頂いたコラムを読みながら、あらためて丁寧に意識的に毎日を生きていこうと思った。 カムワッカ 宇井 のどか |