HOME > 大滝正明連載コラム「Art and Design のある暮らし」 > 第9回 「言葉って不思議」 |
「辞書辞典 字典の良きは 字引かな 始めに言葉 ありきのやうな」 言葉は生き物のように愛着が深まることがあります。私の耳の特性で、言葉は耳から覚えることはありません。自ずと字を引くことが多くなります。こどもの頃から続いている習慣ですね。 三年ほど前でしょうか、携帯電話会社のauは「アウ」と読んでいました。なぜかどこにも日本語がついていません。だから勝手に「会う」と読んでいました。 ある日ある人から「エーユー」と聞かされ心の中で大笑いしてしまいました。音の響きとして、今ではしっかり「エーユー」と理解できます。言葉って本当に不思議!ですね。。 大滝正明記 |
【カムワッカ より】 「辞書は愛読書」 その後、古典をこよなく愛する先生、そして文学少女だった友人との出会いがあり、その興味が一気にふくらんだのは高校時代のこと。 57577という少ない文字の中で、多様に意味を折り重ね、情景や思いを表現する。 色や香りや音、今よりはずっとシンプルな要素なのに多層的でユーモアと知性にあふれた平安の遊び。 それは、一体どんな感じだったのだろうとその時代に思いを馳せながら、古典の授業に熱中したのを思い出す。 とくに辞書は、重なり合う意味の中、どんな表現があり、どんな風に表現を広げていくことが出来るのか、読んだり調べたりしていくうちに、どんどんイメージが膨んでいくのが楽しくて、苦手な授業の時間はひたすら辞書を読むか好きな科目の自主学習をしていた。(*) 知りたい言葉を引くと言うよりは、ぱっと開いたページで目のとまった文字の項目を読むとか、そのつながりで心惹かれる文字を追っていくとか、そんな感じだったけれど、中にとても美しい表現があると自分の心の辞書にしまっておきたくてノートに書き留めたり、付箋をうったり。自分なりの親しみ方があった。 つい最近、たまたま「舟を編む」という辞書作りをテーマにした映画を見たこともあってとってもタイムリーなテーマ。 辞書と図鑑は我が家でも本棚の大切なコーナーのひとつです。 *念のためご説明を。私はある特定のことに集中できても、まんべんなく何かをすることが苦手だと言う自分の特性に気付き始めた高校時代。学校の学習カリキュラムではなく自分のスタイルで学ばせてほしいと各科目の先生と単位の取り方を相談した経緯があり、受講中の科目外学習をすることは教師の容認済み。 カムワッカ 宇井 のどか |